竿屋の独白

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2014年 01月 27日

テーパー

古い竿のデータをとる機会に恵まれた。
アンティークと言うほど古くはなさそうで、かなり程度がいいので多分1900年代後半の製作じゃないかな。
英国は FARLOW'S Super Parabolic Longcast 8’7” #6-7 変則的な 2P。ガイドが小さめでシルクライン仕様。
材料の竹はフランスのペゾンから支給(?)されてるらしい。
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以前納品したスプライスト2P のガイドを交換する事になったのだが、「こんなのがあるヨ。一緒に送るから振ってみて」と修理品と一緒にお送りいただいた。外観(シャフトの太さ)は一番最後に作ったスプライスト8’6”#6/7/8 にかなり近い。が、振ってみると全然張りが違う。何で?
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ラインを通して見ると420gr. のスカジットヘッドが余裕で振れる。張りが強いので、ちょっと腕にくるが。でも、ちゃんとバットから曲がる。これはシルクラインで振ったら飛ぶんだろうなぁ・・・名前通り。こんなに強くなくてもイイんだけど、こういうタイプの竿が作りたかったのよ。

悔しいからデータをとらせてもらった。10年以上前にハーディーの竿を測った事があるが、それと比べるとディメンションの精度はダントツ。おかげでテーパーの全体構造が解かりやすい。グラフに起こしてみると一目瞭然。パラボリックな竿にするにはどーいうテーパーをベースにして、ここはこーしてこっちはあーして・・・とやってきたところがそのまんま見える。あー、やっぱりここ、こーやったんだとか、ここはヤングもこーやってたよねとか・・・。接着剤の種類まで特定できる。

今まで試行錯誤して積み上げてきた内容を、この竿1本が見事に証明してくれたようで、思わず笑いが出てしまった。うれしいっ! が、ひとつだけ大きな疑問が・・・・・・。どーしてこんなに張りがあるの?

思い当たるフシがふたつある。一つは「竹は裂かない」。も一つはエイジング。竹竿も寝かせる?

もう1本、削ってみよっかなっ!
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by kurirod | 2014-01-27 12:49 | 竿 | Comments(4)
2014年 01月 22日

ガイド・スペーシング

さんざん作り散らかしたスプライスト・ジョイントのデモロッド、テーパーの取り方や製作方法を模索しているうちは一心不乱。ムキになってやっていたが、だんだん数を重ねていくうちに少しずつ気持に余裕が・・・。

気持に余裕が出てくると余計な事を考える(らしい)。だいたいスプライストなんて古い接ぎ方は、見た目の珍しさだけだろうとタカをくくっていた。ムキになっている間も、それは心の片隅にひっかかっていて消えることはなかった。テストをするまでは。ラインを通して思いっきりタメてみたり、重いラインを入れて力任せにキャストしたり、折れてもイイやというつもりでテストを繰り返すうちに偏見が消えた。おっそろしく丈夫!
テーパーの取り方とも密接に関係するが、大物狙いの竿には最善の方法のひとつだと思う。──閑話休題。

で、余計な事を考えられるようになって最初に浮かんだのは「このテーパーってフェルールで作っても同じアクションになるんじゃね?」。スプライスにしてもフェルールにしても、ジョイントの前後が曲がらないのは同じ。だったらジョイントの方法と関係なくテーパーは共有できるんじゃないかという素朴な疑問(?)。なのでやってみた。
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9フィート#6・7・8 パラボリックのテーパーをフェルールで作った。なぜか、同じ調子になるという確信に近い予想があった(根拠は無い)ので、最初から本チャン。フェルールは十数年前にCLASSIC SPORTING ENTERPRISES にオーダーした Paul Young のフェルール。
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DT#6で振り比べてみたが差は感じられなかった。ガイド位置もまったく同じにしたのだが、なぜか微妙に違う結果となった。
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ストリッピングで20mm、その上のスネークが10mm、スプライスのやつより上にズレる結果が・・・。ハンドプレーンなので、どんなに正確に作ったつもりでも製作誤差はあるはず。素材の違いというのも無視できない。

C.C. の店主はかなりトレーニングを積んだ結果、どのガイドの当たりが強いということを感じられるようになったというが、私はそれほどのレベルには達していない。せいぜいストリッピングとその上2個までの位置が、適切かそうでないかという程度。9フィートだとトップを除いて10個のガイドがある。それぞれのガイドに当たるラインの感触を感じ取るなんて・・・無理! 今のところ同じブランクでもガイド位置が変わると違うロッドに仕上がる、ということを理解した段階で足踏みしている。

それにしても・・・なんかスッキリしない結末。
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by kurirod | 2014-01-22 15:48 | 竿 | Comments(0)
2014年 01月 18日

お気に入り?

懲りずにまた作ってしまった・・・。ちゃんと最後まで組み上げたものだけで数えると12本目。さすがに1ダース以上いじくりまわしていると、テーパーの取り方も見えてきたような気がする。
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そもそもは「2ハンドロッドで使うようなラインを片手で投げてしまおう」というところから始まったスプライスト・ジョイントの2ピースロッド。フェルールを使わなくて済むものだから、気に入らなかった試作品からリールシートを外したり、デッドストックの金具を使ったりしてついつい作りちらかしてしまった。
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最初からイメージしていたのは、パンと張りがあってバットから曲がってくれるような感じ。長さをフルに使ってキャストできる本流で使える竿。1ダース目にしてやっとイメージに近い竿になった。
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このカーブは Angler's Choice のシリーズをつくってから変わらない。キャストが楽なのヨ・・・。デカいのを掛けると取り込みに少しだけ余計な時間がかかるが、バレることはほとんど無い。デカい魚に振りまわされるのは釣りの楽しみのひとつなわけだから(?)それはそれで・・・。

キャストは竿まかせ。スケベ心を出してもっと飛ばしてやろうと力んでも、距離は変わらず疲れるだけ。竿は勝手に曲がるからタイミングを合わせてやれば、ほんの少しの力で距離を延ばすことができる。が、これがけっこう難しくて、ついつい力んでしまう。なかなか思うようにならなくて諦めかけたような時にストンと飛んでったりするもんだからヤになる。

これならニューモデルとしてお披露目してもイイかな、と思ったのだが、ライン番手の表示をどうしよう。前から気になっていたのだが、このテのアクションの竹竿はキャパシティーが大きい。今回のやつで言うと、フローティングラインで320gr.(20.74g)~450gr.(29.16g)のラインが使えてしまう。当然ラインの重さによって投げ方を調整してやらなければならなくて、それなりのキャスティングテクニックが要求される訳だが・・・。

一難去ってまた一難、さてどうしたものか・・・。
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by kurirod | 2014-01-18 21:33 | 竿 | Comments(0)
2014年 01月 04日

パキッ!

リールを壊した。Hardy の The Princess 。そう、こないだ見つけたほとんど未使用のやつ。このタイプのリールは目立たないけど故障もなく確実に仕事をしてくれる。道具としてのクォリティーが高い。
竿のライン合わせをしてる時にリールシートから外れて河原に落ち、リムが歪んでスプールが回らなくなった。工房に戻ってからスプールを外し、歪んだところに楢の板を差し込んでこじったら・・・・割れた。
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飛んでったリムのカケラは見つからなかったので、とりあえずはブリッジの間に残ったリムを全部切り取って、断面にヤスリを当てとけば使えるようにはなるな・・・ま、こいつとは縁が無かったんだろうと諦めた。が、後日とんでもないところでカケラが見つかったので修理してみることに。
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アルミの鋳物ではハンダがきかないので接着剤を使うしかないのだが、どんな接着剤? 結局、数年前にプレスの型を作るのに使った鉄粉入りのエポキシに。鉄粉なんか入っていても接着能力には関係無いと思うのだが、気は心。それにエポキシって用途別にけっこういろんなタイプがあるみたいで・・・。
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良く見るとスプールとの間が微妙に広くなっているが、ぱっと見はほぼ元通り。リムの断面積が小さいのとエポキシの性能が分からないので、どのくらいの強度があるのか不安はあるが、これで良しとしよう・・・。力がかかるところじゃ無いから、フツーに使う分には問題無いハズ。

キズも無くてなんだかよそよそしい感じだったのが、少し身近になったような気がする。メデタシ(ん?)。
あ、メデタシといえば新しい年が明けましたね。どんな年になるのかわかりませんが、今年もよろしく!
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by kurirod | 2014-01-04 11:53 | リール | Comments(4)