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竿屋の独白

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2014年 11月 13日

やられたっ!

先月ポチったJ.W.YOUNGのサーモンリールがイギリスから届いた。
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オリジナルのビニールケースに入っていて、中古と言ってもかなり程度はイイ。外観は・・・。
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ケースから取り出そうとしたらハンドルがポロッ・・・えっ?
シンプルなアンチ・リバースの機構が組み込んであって、スプールをハンドルで抑え込むような構造になっている。届いた時の写真は撮ってないが、軸のミゾが切ってある部分から先が折れていた。ミゾのところは2.5mmしかない。この部分が無いとハンドルが固定できない。当然スプールは回らない・・・って言うか、壊れてんじゃねえか!
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折れた先っぽはハンドルの中から出てきた。クソッ、どうしてくれようか。
あ、左側のハンドルは2mmほど浮いてガタガタだったので、軸を外してタップを立て、ステンレスの皿ネジを加工して、新しく作ったホワイトブロンズの座金で固定しなおしてある。組んでしまえば表からは見えない。
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幸いにも軸は2段になっていたので、細くなっているところから先はステンレスの丸棒を加工して再生した。1/100以下の精度で削らないといけないので1日がかりの仕事になっちまった(ひとつ失敗してるし)。オリジナルの太い部分に8mmほど呑みこませてある。再生した部分と太い軸の部分は芯が通ってないといけないので、先に太目の丸棒を叩き込んでおいてから旋盤に咥えて削った。軸の金属は思ったより柔らかく、鉛を削るような感じで、ちょっと拍子抜け。
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50年ほど昔の機械的な“アンチ・リバース”の機構。ラインを巻きとっている時に魚に走られると機能しないみたい。フリーの状態にするにはコツが要るのか? 笑っちゃうけど面白い。
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脚も片方が少しめくれ上がっていたのでネジを外し、万力を利用して平らに修復。きっとリールシートのスクリューをちゃんと戻さないで外そうとしたんだと思う。アルミ合金のようだけど、けっこう柔らかいのでテコの原理を利用して手で修正できた。
この脚、先端が丸くなっていたのだが全長70mmと長めで、リールシートによってはギリで入らないものがあったので5mmだけ短くした。ちなみに現代のリールフットは60mmの長さが一般的で、アンティ-クのロングフットは90mmもある。

ナンだカンだと細かい作業ばかりだったが、結局使えるリールに復活させるのに丸2日を費やす大仕事になった。やれやれ・・・。
来週あたりは同じモデルの3.5インチがアメリカから届くハズなんだけど、だいじょぶなのかなぁ・・・心配になってきた。

by kurirod | 2014-11-13 19:59 | リール


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