竿屋の独白

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2018年 09月 27日

スイッチロッド

もう何年前になるだろう? 初めてYouTubeでエド・ワードのコマンドヘッドのデモを見たのは。

9ft.#5 のシングルハンドを 2 ハンドに仕立て直して使っていたような記憶がある。時期的には " スペイフィーバー " がひと段落して、管釣りや湖でヒンシュクを買っているという話が聞こえてくるようになった頃だと思う。
見よう見まねで 15ft. や 18ft. の長竿に、太いスペイラインをバシャバシャ振り回すんだから(おまけに腰まで立ち込んで)、白い目で見られてもしょうがない状況だったのかも知れない。でも、カッコ良よかったのよね、あの姿が。それに、キャスティング自体は面白いし、きれいなループが作れた時は素直にウレシイし・・・・。
冷静に考えれば、ターゲットの魚種も川の環境も日本とはまるで違う土地の釣り方をそのまま持ち込んだって・・・どうなの? というところなんだけどね(あくまでも個人の意見です、念のため)。

そんな状況の中で、エド・ワードのスカジットキャストは軽く衝撃的だった。そもそもスチールヘッダーと呼ばれるフリーク達が考え出した釣り方とシステムだけど、も少しライトにこじんまり(?)アレンジすれば日本の本流の鱒釣りでも通用するんじゃないかと思った。
この時はまだスカンジヘッドでのスペイキャストに入れ込んでいたのと、ヘッドにモノフィラのランニングラインというあまりにも合理的な組み合わせが、竹竿にはちょっとねという気持ちもあって本気で手を出す気にはならなかった。

これは多分その頃作った9ft.#5/6 と 10ft.#6 の 3P 。DTFラインでオーバーヘッドキャスト用。エクステンションバット
を装着して使うようにしてある。
             
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そうこうしているうちに、マイクロスカジットと称して8ft.#3 くらいのロッドに合わせたヘッドが出て来たりして、「ああ、やっぱりな・・・」。実はそれまでヘッドを後ろ前にしてたらしい事にも気づかされて、にわかにコマンドヘッドが気になりだした。

で、ず~~っとお蔵入りしてたのを、やはりず~~っとお蔵入りしてたコマンドヘッドと一緒に引っ張り出してみた。( 9ft. はなんと 2 バット!)。トップセクションはヘッドの重さを背負いきれるように作り直してある。
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2ハンドロッドのコンセプトをシングルハンドのテーパーにフィードバックして起こし直した 8ft.6in. や 7ft.9in. にも入れてみた。具合がイイ! ロールキャストで必要充分な距離が出ちゃう。
ならば、
と 11ft.や 12ft. のスペイロッドにも・・・。遅ればせながら " スイッチロッド " 誕生 128.png
グラファイトだと 11ft. でも片手で振れちゃうけど竹のは無理。せいぜい 9ft. まで。そういう意味ではスイッチじゃないけどね。

こんな出来事があってから、改めてOPSTの動画を探してみたら・・・・随分数が増えてる。ショップが紹介してるのも含めるとかなりの数。中に、ゴルフボールを使ったエド・ワードのレクチャーがあった。日本語の訳付きまである。
が、ラインをどういうふうに動かして前に飛ばすか、という基本的な事はスペイキャストと同じで「横円を縦円につなげて方向転換させる」というところ。なんか太極拳みたいだなぁ・・・・。






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by kurirod | 2018-09-27 14:14 | 竿 | Comments(0)
2018年 09月 03日

ISAKU

平成最後の夏が終わった。
今年の夏は温度計が壊れたんじゃないかと思うくらい暑かった(も少し続くらしいが)。

工房の2階(事務や巻きの作業をする)は 26℃ の設定で朝からエアコンを入れてるのに、昼を過ぎても 30℃ 以下にはならない日が続き、ヒトも塗料もダウン。シャフトの塗料やバーニッシュが水みたいにシャブシャブになり、いくら平らに塗っても硬化する前に角がみんな弾けてしまう。おまけに表面張力が働いて平らな部分に塗料が集まって丸くなる。とても仕事にならない。

が、ありがたい事にいくつかオーダーをいただいていたので何とかしなくては・・・という訳で、少しでも気温が下がった時をねらって大汗かきかき一件は何とかやっつけた。これ。11ft. #6/7 2P 2TOP。
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さて、お次。バットセクションの丸ごと作り直し。ここまでいっちゃうともう " 補修 " は無理!
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これまでにも修理や新規製作の件はいくつかあったけど、どれも容易に破損の原因が想像できた。が、今回のはどう考えても想像できる原因がイレギュラーなので、仕上がった時点で状況を詳しくお聞きしてみようと思う。

それにしても暑さが尋常じゃ無い・・・・。

ついでにこんなヤツも出てきて仕切り直し。
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バットセクションの 6 本目に出てきた虫食い。
なんとか外して・・・と削ったけどアウト。仕方がないのでこいつは予定してなかった 11ft. #6/7 2P のデモ用に回すことにした。で、フェルールを注文。が、ツイてない時はツイてない事が重なるもので、フェルールの仕入先の " 10日間の夏休み " に 2 回ぶち当たり、仕事は思うように進まず、えいクソッとこんなことで気分転換。(これを巻いてる時はエアコンの前に居られるノダ 102.png )。
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ま、これはこれで楽しめたけど、夜中に小人が出てくる訳もなく、竿の方は一向に進まず。とりあえずシャフトだけは仕上げておいてフェルール待ち。少しでも室温が下がる時間を見計らって新規製作分も。ついでに具合が良かった 7ft.9in.#5 2P のデモロッドも削った。ナンか知らないがスイッチが入ったみたいで、暑さも苦にならずポタポタ汗の滴を落としながら・・・どしたオレ?  でもやっぱり遊んでしまった。
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メス型回転センター。ボトムハンドルを削っている時「こんなのがあったら便利かも」と思ってしまい、思っちゃったもんだからすぐに製作。状況によってはそれなりに便利。それでもフェルールが届くまで時間があったので、グリップのコルク削りを済ませる。力は要らないけど噴き出た汗に削った粉がくっついて、手の甲から肘までがコルクまみれ! 何度も水で流し落としながらの作業になった。とりあえずできそうなこ事を全部やってしまって、見れば組み立てキットみたいになってて苦笑い。
そうこうしているうちにフェルールが届いたので打ち込み、まとめて塗装。先に 2TOP の巻きを済ませてからゆっくりデモロッドのガイドの位置出し。
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作業の都合上先に 7ft.9in. の方が仕上がったが、ガイド位置の取り直しには少し手こずった。しかしイメージ通りのアクションに仕上がって、コマンドヘッドの 175gr. と 200gr. のヘッドがドンピシャ! 実釣でキャストするくらいの距離は、タイミングさえ合えば飛ばそうとしなくても勝手に出ていく。もちろん力は要らない。へぇ~~、これがマイクロスカジットね!納得。
11ft. の方はスカンジの 390gr. がベスト。こっちは予想以上の仕上がりで、これならISAKUというネーミングで残しても恥ずかしくないかも・・・なんて密かに思う。やっとバットのテーパーと構造が確定した気がする。

あ、どのラインをキャストする時も、トップガイドが自分を中心にして円を描くように動かすのがミソ!





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by kurirod | 2018-09-03 14:40 | 竿 | Comments(2)